年金から源泉徴収される税金のしくみについて教えてください。
基金および国からうける年金は、税法上、「雑所得」として課税対象となり、年金をうけるつど所得税が源泉徴収されます。
基金の年金は、うける額にかかわらず、一律7.5%×1.021(復興特別所得税)の所得税が差し引かれます。
国の年金は、すべての受給者が課税の対象となるわけではなく、年金額が一定額を超えた場合に対象となります。年金受取額に対して、各種控除をうけた後、所得税が差し引かれます。
※遺族年金、障害年金、雇用保険の失業給付は、所得税は非課税となっています。
源泉徴収の対象となる年金額
65歳未満 | 65歳以上 | |
---|---|---|
厚生年金保険・国民年金 | 108万円 | 158万円 |
キユーピー企業年金基金 | 金額にかかわらず受給者全員 |
源泉徴収される所得税額の計算式(扶養親族等申告書を提出した場合)
源泉徴収税額=[年金支給額-介護保険料-(各種控除の合計額×年金支給額の月数)]×5%×1.021(復興特別所得税)
※年金支給額とは、1回に支払われる額のことです。
※各種控除は、「扶養親族等申告書」の提出により受けることができます。提出がないとき、控除額は「年金支給額の25%」となり、税率は10%×1.021(復興特別所得税)となります。
基金の源泉徴収票は、いつごろ届きますか。
毎年1月中旬になると、年金を受給されている方に対して、基金および日本年金機構(国)から「公的年金等の源泉徴収票」がそれぞれ郵送されます。また、在職されている場合は、会社からも「源泉徴収票」をうけ取ります。
源泉徴収票は確定申告の際に必要となりますので、大切に保管してください。再交付が必要となった場合は、交付に日数を要しますので、お早めにお申し出ください。
※遺族年金、障害年金をうけられている方には、源泉徴収票の発行はありません。
基金から年金を受けていますが、確定申告は必要ですか。
基金の年金、国の年金、在職による給与など、2ヵ所以上から収入を得ている方は、確定申告を行う必要があります。医療費控除や社会保険料控除、生命保険料控除などの物的控除は、確定申告により反映されます。
年金や給与などから源泉徴収される税金は、一年間の収入見込額によって計算されていますので、本来納めるべき税額(年税額)との間に差が生じる場合があります。このため、確定申告では一年間の収入と支出に基づき、税金の過不足の精算を行います。
源泉徴収された額が年税額より多かった場合は、差額が還付金として戻ってくる場合があります。
※確定申告は、毎年2月16日~3月15日に、お住まいの税務署で行ってください。
一時金でうけ取るときの課税のしくみについて教えてください。
退職時に、基金から一時金をうけ取る場合は、会社からうけ取る退職金と同様に「退職所得」として課税対象となり、所得税が源泉徴収されます。このとき、退職する際に提出いただく「退職所得の受給に関する申告書」に基づき、勤続年数に応じた退職所得控除が受けられます。
なお、退職所得は、他の所得とは分離して税額が計算されるため(源泉・分離課税)、原則として確定申告の必要はありません。
※所得税のほかに、地方税(市町村民税・都道府県民税)が源泉徴収されます。
退職所得にかかる税額の計算式
所得税の源泉徴収税額 = ( 退職所得 × 税率 )- 控除額
※退職所得 = [ 一時金額(他の退職金と合算)-退職所得控除 ] ×1/2
退職所得控除
勤続年数* | 控除額 |
---|---|
20年以上 | (勤続年数-20年)×70万円+800万円 |
20年未満 | 勤続年数×40万円 |
*1日でも端数があれば切り上げます。
所得税率
課税所得 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | - |
195万円超~330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円超~695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円超~900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円超~1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円超 | 40% | 2,796,000円 |